テスラ株(TSLA)が-12.24%の大暴落を記録!原因となったIR情報を解説!!

マーケット情報

(※2023/1/4(木)に更新しました)

今回は1/3(水)の米国マーケットで大暴落を記録し、Twitterなどでも話題になったテスラ株について、その暴落原因となったIR情報を解説していきます

テスラ株が-12.24%の大暴落を記録

まずは当日の株価推移を確認してみましょう。

1/3(水)のテスラ株の株価はこちらです。

Yahoo!finance

取引開始時間から既に売りが先行して急落を始めており、その後も下落を続けることになります
一時$104台まで到達するなど、激しい値動きとなり、結局終値は$108.10となりました。

1日で$-15.08、下落率として-12.24%の下落をしたこととなり、同日のマーケット全体に悲観的な見方が広がることとなりました

実際、米国マーケットの主要指数は以下の通りとなり、下落が際立った1日となります。

🇺🇸1/3(水)主要指数の下落率

NYダウ:-0.03%
NASDAQ:-0.76%
S&P500:-0.40%

さて、市場参加者へ大きな衝撃を与えたテスラ株ですが、株価暴落となった原因はテスラ社によるIR情報のリリースでした

テスラ社がFY22 Q4の生産・納入台車数をリリース

それではここからは本題であるテスラ社リリースした内容について見ていきます。

こちらはテスラ社のIR情報より抜粋したものです。
上段にFY22 4Qにおける各モデルの生産・納入台数が示されています。

また、下段にはFY22の1年間を通した生産・納入台数がそれぞれ記載されています。

https://ir.tesla.com/press-release/tesla-vehicle-production-deliveries-and-date-financial-results-webcast-fourth-quarter

以下、ポイントをまとめます。

  • FY22 Q4の生産台数は43万9,701台、納入台数は40万5,278台となりそれぞれ過去最高台数を達成
  • FY22の納入台数は約131万台となり、FY21から約40%の増加を達成
  • 一方で、FY21→FY22で生産・納入台数を50%増とする目標は未達

一見するとポジティブな情報にも思えますよね。詳しく分析していきます。

Q4発表内容で注目ポイントは納入台数

全モデルの生産・納入台数は上記の通りです。
これはそれぞれ過去最高の台数であり、供給力を向上させ続けていることが分かりますね。

一方で、マーケットのアナリストによる平均納入台数の予測は42万760台でした

Q4では納入台数は40万5,278台でしたので、僅かに届かない台数となり、株価にマイナスをインパクトをもたらす結果となります

また、今回のように四半期実績がアナリスト平均を下回るのは3四半期連続となりました。
コロナ禍で事業拡大を続けてきたテスラ社の成長が鈍化が著しく、市場参加者からはさらに悲観的な見方をされることとなります。

FY22の目標は未達

次にFY22の結果について見ていきます。

FY22における全モデルの生産・納入台数はそれぞれ約137万台、約131万台となり過去最高記録を達成しました。

納入台車について、FY21では約94万台でしたので、実に+40%と大幅な増産を記録したことになり、EVの代表格であるテスラ車が非常に大きな需要を得ている実態を示していますね。

一方で、テスラ社はFY21対比でFY22の生産・納入台数を+50%とする目標を掲げていました

結果として、生産・納入台数ともに目標に届かず、成長の鈍化を裏付ける結果となり、株価にも反映されることになります

補足情報として、テスラ社は目標達成のために、昨年12月には値引きを行い、最後の追い込みを図っていました。

テスラ、モデル3とYで7500ドル値引き-年内納車を条件に販売増狙う
電気自動車(EV)メーカー、米テスラは米国の消費者向けに7500ドル(約99万円)のディスカウントを提供している。最安値の2モデルが対象で年内納車が条件だ。

従来までは旺盛な需要を背景にして強気な姿勢を示しており、値引きを行うことは無かったと思いますが、やはり景気後退を背景として需要の減退が顕著であり、価格を下げる決断に至ったのでしょう。

また、テスラ社はFY22のうちに2つの新設工場を稼働させていました。

ついにベルリン工場始動のテスラ、不安材料は「水の供給」 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
イーロン・マスクは、かつて森林だった土地に建てられたベルリン工場が、ようやく欧州向けの電動SUV「モデルY」の生産を開始することに安堵しているようだ。しかし、バッテリーの材料コストの上昇や、世界的なチップ不足、地元の水の供給不足がこの工場の...
テスラの4番目の工場が完成、「年間200万台」製造実現へ | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
イーロン・マスクは4月7日、オースティンのテスラの新工場の開設イベントで、この工場の規模が米国で最大で、「フル稼働すれば米国で最も生産量が多い自動車工場になる」と述べた。「サイバー・ロデオ」と呼ばれるイベントには、1000人以上の招待客やフ...

米国、ドイツに各1つずつ工場を新設し、生産力の向上を目指すことになります。

結果として、過去最高の生産台数を達成しましたので、投資対効果を享受することになりましたが、テスラ社が掲げていた目標には到達しておらず、思い通りの結果は得られていない状況です。

また、今後納入台数が鈍化することになれば、新設工場が足枷となることも想定され、テスラ社の成長を妨げる要因にもなり兼ねないため、注視が必要な状況と言えます。

まとめ

今回はテスラ社が発表したIR情報をもとに、株価の大暴落の原因について解説しました。

主な要因は以下2点です。

  • FY22 Q4の納入台数はアナリストの平均台数に届かず
  • FY22の生産・納入台数はテスラ社が掲げたFY21対比50%増に及ばず

これらの結果、テスラ株の失望売りにつながり、大幅下落となってしまいました

FY21で株価を大幅に成長させ、自動車業界で時価総額No.1の地位を確立したテスラでしたが、米国のリセッションや中国のゼロコロナ政策の影響を受け、成長の鈍化が見受けられるようになりました。

一方で、EVの代表格であることは間違いなく、次代の中心となり得る存在ですから、今後の株価動向にも注目していきたいと思います。

今回は以上となります。ありがとうございました。

この記事を書いた人

背徳太子

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