(※2023/4/9(日)に更新しました)
こんにちは!背徳太子です!
今回は世界を代表するオイルメジャーである”エクソンモービル”を取り上げていきます!
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投資に関連する内容を毎日発信していますので、よろしければこちらから覗いてみてくださいね!
皆さんは以下のような悩みを抱えていないでしょうか。
✔️米国株投資を始めてみたいけど、失敗はしたくない!
✔️米国企業は決算書が英語なので分かりやすく解説してほしい!
✔️具体的に何に投資したら良いのかよく分からないので、おすすめの銘柄があれば教えてほしい!
コロナ禍をきっかけとして個人の株式投資が話題になり、投資未経験者の方でも”インデックス投資”といった言葉を見聞きする機会が多くなったのではないでしょうか。
さらに、2024年から始まる新NISA制度の開始に向けて、「インデックス投資も良いけど、せっかくであれば個別銘柄への投資もやってみたい」という一歩進んだ意欲的な方もいらっしゃるかと思います。
しかしながら、いざ投資をしてみたいと思っても、無数にある銘柄から一つ選ぶのは至難の業と言えます。
そこで、そんな疑問や悩みの解決の一助となればと思い、個別銘柄について記事にしています。
今後の投資判断のヒントとなる情報を発信していきたいと考えておりますのでぜひご一読くださ
本記事ではオイルメジャーの一角である”エクソン・モービル”について紹介します。
- 米国株投資家に人気のエクソンモービルの業績をグラフで理解!
- 直近1年間で株価を急上昇させている要因を把握!
- 気になる配当や自社株買いによる株主還元策の状況を確認!
- 投資判断のヒントをゲット!
会社概要
エクソン・モービル(英: Exxon Mobil Corporation/ティッカー:XOM)は米テキサス州に本社を構える石油メジャーの最大手企業です。
エネルギー資源(原油や天然ガス)の探鉱・生産といった上流部門(Upstream)から精製・販売に至る下流部門(Downstream)に渡り、垂直統合的に事業を展開するスーパーメジャー(国際石油資本)の一角です。
石油系巨大企業複合体の総称であり、巨大な資本力と政治力をバックグラウンドに持ち、上流から下流まで一期通貫で事業を展開し、シェアの大部分を寡占している。
エクソンモービルの他に以下企業により構成される。
・シェル(英🇬🇧)
・BP(英🇬🇧)
・シェブロン(米🇺🇸)
・トタルエナジーズ(仏🇫🇷)
・コノコフィリップス(米🇺🇸)
エクソンモービルは世界大戦後数十年間に渡り、石油生産を独占していた「セブンシスターズ」と呼ばれる”エクソン”と”モービル”の両社を前身に持ち、1999年に合併し現在の形に至っています。
後ほど詳しく述べますが、収益はFY22で売上高で4,136億ドルを誇りスーパーメジャーの中でもトップの規模感になります。
日本円($=¥130)で換算すると、およそ54.4兆円になりますので、いかに巨大産業であるか分かりますよね。
ちなみに時価総額は4,683億ドル(2023年4月8日現在)で世界で13番目となっています。(順位の前後はTSMCやユナイテッドヘルスとなっています)
こちらは1995年から10年スパンの時価総額ランキングを示したものです。(出典:内閣府)
20年以上も前から常に時価総額ランキングでランクインしており、マーケットを牽引している企業であることが改めて認識されますね。
ちなみに日本のガソリンスタンドはENEOSやコスモが多く、エクソンの名前を見ることはあまりありませんが、米国では主流のようですよ。
エネルギー価格は景気と直結しますので、コロナの影響により経済が停滞したため直近はあまり業績が伸びておらず、株価は低迷していましたが、ロシアによるウクライナ侵攻を主な背景とした資源価格の高騰を受け、22年以降は好決算を計上しており、個人投資家から再び注目が集まっている銘柄です。
ここで直近5年間のエクソンモービルの株価推移を簡単に見てましょう。
青がエクソンモービル、橙色がWTI(原油価格)の推移を表しています。
コロナ前までは緩やかに下落、コロナによりパンデミックが発生すると一気に株価が急降下することになります。
しかしその後に傾向は一転し、一気に急上昇することになります。
さらに、エクソンモービルの株価は原油価格の動きに連動していることがわかりますね。
ではここからは主にIR情報から得られる情報をまとめましたので、詳しく見ていきましょう。
業績
収益・営業利益・純利益
エクソン・モービルの業績について具体的に見ていきます。
青い棒グラフの収益に着目して大まかな推移を見てみましょう。
全体的に安定感がなくボラティリティの高い事業を行っていることが読み取れます。
特に、2014年以降に一気に減少していく傾向を読み取ることが出来ますね。
この傾向は2016年まで続くこととなり、それ以降は徐々に業績を回復していくことになります。
しかし、2020年の新型コロナウイルスによるパンデミックの影響により、再度収益は悪化することになり、最終的に赤字に陥ることとなりました。
その後、2021年はパンデミックからの脱却により各国の経済が回復基調にあることに伴い、2018年レベルまで回復、さらに最新の2022年は10年前の水準までようやく戻ってきたことがわかります。
ここで原油価格のチャートを合わせてご覧ください。
このグラフと先ほどの業績推移を見比べてみますと、エクソン・モービルの収益は原油価格との相関が非常に強いことを確認できるかと思います。
尚、2014年から2016年にかけて一気に原油価格が下落しましたが、当時は米国におけるシェールガスの影響等により、供給量過剰になったことが原因です。
この時はエクソン・モービルに限らず、各国のエネルギー企業は大きな損失を計上することになりました。
コロナ禍で一旦は原油価格が暴落したものの、その後の経済回復とともに一気に価格が高騰、さらにはロシアによるウクライナ侵攻によりその傾向はより強くなりました。
エクソンモービルは原油価格と収益との間には強い相関関係を確認することができますので、比較的収益が読みやすい銘柄と言えると思います。
セグメント別純利益
次にエクソン・モービルのセグメント別純利益を見てみましょう。
直近2年間のセグメント別純利益の推移は以下のとおりです。
エクソン・モービルの稼ぎ頭はなんと言ってもUpstream事業です。
これは原油、天然ガス、液化天然ガス(LNG)などの探査・生産を行うセグメントで、資源価格の影響を最も受けるセグメントです。
つまり、資源価格が高騰している際には大きく収益貢献しますが、資源価格が下落してしまった時は逆に大きな下振れ要素にもなります。
2021年から資源価格は右肩上がりで上昇していますので、それに伴い、Upstreamセグメントは増収・増益となっています。
2022年の各事業セグメントの純利益の割合はこちらの通りです。
全体の約60%をUpstream事業で利益を出している状態ですね。
同社の収益はUpstream事業で大きく左右すると言っても過言ではないと言えそうです!
BPS・EPS・ROE
次にBPS、EPS、ROEについてです。先に各指標について簡単に解説します。
BPS:Book-value Per Shareの略称。1株当たり純資産であり、企業の安定性を測る指標。
計算式は、純資産÷発行済み株式数
EPS:Earnings Per Shareの略称。1株当たり純利益であり、企業の収益性を測る指標。
計算式は、当期純利益÷発行済み株式数
ROE:Return On Equityの略称。企業の自己資本(株主資本)に対する当期純利益の割合であり、企業の効率性を測る指標。
計算式は、当期純利益 ÷ 自己資本 または EPS÷ BPS
各指標の推移を見てみましょう。
まずはBPSですが、2020年は業績の悪化に伴い少し落ち込んでしまった(赤字になったので利益剰余金が減少)ものの、全体としては安定して推移していることが分かります。
すなわち、エクソンモービルの財務基盤は安定していることを示しています。
自己資本比率は50%前後推移しており、財務面で不安視されることはないので、長期目線での投資する上で懸念となる倒産リスクが抑えられますので、安心してポートフォリオに組み込むことができますね。(資源権益という莫大な資産を持っているエクソンが倒産する可能性は極めて低いです)
次にEPSを確認してみましょう。
2016年と2020年はご覧のとおり大きく落ち込んでしまっています。
いずれの年も資源価格の落ち込みが大きく、収益を十分に上げられなかったことが原因です。
最後に、ROEですがEPSの変動が大きいため、ROEも同様に大きく変動してしまっています。
直近のROEはおよそ27%であり、直近10年間では最も高い水準であることがわかります。
キャッシュフロー
次に、キャッシュフローを見ていきます。こちらも簡単に各項目を解説します。
営業キャッシュフロー:
本来の営業活動から得られたキャッシュの動きを示す。営業キャッシュフローが潤沢な企業ほど、外部からの資金調達に依存する割合が少ないため、経営が安定する。
投資キャッシュフロー:
投資活動によるキャッシュの動きを示す。設備投資等による資金流出や有形固定資産の取得・売却、有価証券の取得・売却などの資金運用によるお金の増減を表す。
フリーキャッシュフロー:
税引後営業利益に減価償却費を加え、 設備投資額と運転資本の増加を差し引いたもの。営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの和により算出される。
それでは、エクソンモービルにおけるキャッシュフローの推移を見てみましょう。
営業キャッシュフローの傾向は全体感として収益(つまり資源価格)と相関関係が強いことが分かります。
2020年は特に原油価格の落ち込みが激しかったので、キャッシュフロー上もかなり苦しい状況であったことが見て取れますね。
投資キャッシュフローを見てみると、16年は一時的に設備投資を抑制したように見受けられますが、それ以外の年では一定のマイナスを計上しており、安定した投資活動を行なっていることが分かります。
2022年12月には5年間の経営計画を発表し、その中でも投資計画について記載されています。
投資計画によると、設備投資費は年間200億~250億ドル計上する見込みであり、高リターンで低コストのプロジェクトに投資することで、Upstreamセグメントの収益は、2027年までに2019年比で倍増するとしています。
また、設備投資費の7割以上は、米国のシェール石油・ガス開発、ガイアナおよびブラジルでの海洋石油・ガス開発、そして世界各地の液化天然ガス(LNG)プロジェクトに充てられる予定のようです。
営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの和で表されるフリーキャッシュフローは、2020年以外はプラスになっています。
特に最新の2022年を見てみると、営業キャッシュフローの上昇に伴い、直近の10年間で最もフリーキャッシュフローが大きくなっています。
フリーキャッシュフローは株主還元(配当や自社株買いなど)の原資となりますから、フリーキャッシュフローが大きく改善している点は株主目線では好印象です。
配当・自社株買い
次に、株主還元の状況について見ていきましょう。
配当
まずは配当についてです。
エクソンモービルと言えば高配当銘柄として投資家に人気ですので、ここは注目です。
ご覧の通り、収益が落ち込んだり赤字を計上した年であっても減配するどころか、増配を続けていることが大きな特徴と言えます。(長期目線での投資でも安心です!)
実は1983年以降、連続増配を計上しているのでちょうど40年間継続していることになりますね。
エクソンモービルが株主還元に重点を置いた経営判断をしていることがよくわかります。
赤線の配当性向を見ると、2010年代は非常に高水準で推移していましたが、2021年から2022年にかけて低く抑えることができています。(業績の改善と比較すると配当の増加分が小さいことが要因です)
増配率はこちらをご覧ください。
2010年代前半は勢いそのままに増配率が10%を超えることもありましたが、近年はだいぶ落ち着いた数字になってきましたね。笑
特に業績が悪化した時には増配率も調整されていますが、業績が回復するとすぐに増配率も高めている点は非常に好印象です。
基本的に、配当金の原資となるのは前年度までのフリーキャッシュフローとなります。
上記の通り、フリーキャッシュフローは安定してプラスを維持しており、特に2022年は大幅に改善していますので、引き続き増配が期待できると言えます。
参考情報ですが、高値と安値を平均して算出した平均株価を用いて計算した配当利回りの推移は以下のとおりです。
2020年から2021年で配当利回りは6%を超える水準となっていますが、これは株価の下落による影響が大きいと考えてください。(つまり利回りは大きかったですが、株価の下落が著しく、もしずっと保有した場合は含み損を抱えていた状況かと思います。)
直近5年間を見ても4%は超えている水準であり、すると配当の観点ではやはりかなり魅力的な銘柄であることが改めて認識できますね。
自社株買い
自社株買いと共に総株主還元の推移を見てみましょう。
上記の通り、配当として株主還元を継続しているものの、自社株買いは16年以降ほとんど実施しなくなっていましたが、2021年から2022年の業績の大幅な改善により、2022年に大規模に行いました。
配当だけでも非常に魅力的な銘柄ですが、自社株買いまで行ったことでマーケットは非常に好感する反応となりました。
配当と自社株買いによる総還元性向を確認すると、やはり業績の改善に伴い2021年以降は低く抑えられており、大規模に自社株買いを行った2022年でも50%程度になっています。
まだまだ余力がありますので、今後も自社株買いに期待できそうですね!!
株価
最後に、エクソンモービルの株価推移を見てましょう。
こちらは直近5年間におけるエクソンモービルとS&P500の株価推移となります。
2020年のコロナ前まではほぼ同じような動き、もしくはS&P500が優位となっていましたが、コロナにより経済活動がストップして原油価格が下がるとエクソンモービルの株価は一気に下落、一時は半値まで落ちていました。
しかしながら、経済活動が回復し始め、原油価格が元に戻っていくにつれて株価も急騰、結局5年前からのパフォーマンスはS&P500と変わらない水準ですね。
直近1年間の推移を見ると、また違う様子がわかります。
圧倒的にエクソンモービルがアウトパフォームしていることがわかりますね。
また、同業他社との比較はこちらです。
青がエクソンモービル、橙色がシェブロン、水色がBP、黄色がシェルを表しています。
直近5年間を見てもエクソンモービルが頭ひとつ抜けていることが確認できますね。
最後に
今回は石油メジャーの一角であるエクソンモービルについてご紹介しました。
高配当銘柄として多くの投資家から人気を誇っており、2023年4月7日(金)時点で配当利回りは3.16%です。
資源価格が高騰した際には真っ先に名前が上がるほど注目度の高い銘柄であり、直近は好業績と株主還元の強化により一気に株価を高騰させています。
補足情報として、エクソンモービルはこれまで気候変動対策が不十分であると指摘されていましたが、2027年まで150億ドルもの巨額を脱炭素分野へ投資することを表明しています。
具体的にはGHG削減、メタンのフレアリングの抑制、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)、再生可能エネルギーへの投資を実施していく見込みです。
また、他の石油メジャー同様に2050年にGHG排出ネットゼロの目標を掲げており、足並みを揃えてコミットすることとなりました。
エネルギー銘柄は資源価格に大きく影響を受ける事業モデルですので、今後も株価は変動が激しくなることも想定されます。
現在のように、高水準で資源価格が推移しているタイミングでは、なかなか買い入れすることは難しいと思いますが、直近で株価を上昇させたように、アップサイドを取れる優良銘柄であることは間違いありませんので、機会をみて購入を検討したいと考えています。
尚、競合であるシェブロンやシェルについてもブログで紹介しているので、合わせてご確認ください!
今後も様々なセクターの個別銘柄をご紹介していきますので、ぜひ投資判断にお役立ていただけますと幸いです。
今回は以上となります。ありがとうございました。
背徳太子
ブログ1年目の駆け出しブロガーです。
社会人をスタートさせ2年半程度で資産1,000万円まで到達しました。
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