つい先ほど発表された10月の米国CPI(消費者物価指数)について速報記事を書きました。
ご存知の通り、現在米国では歴史的に見ても例を見ないスピードで利上げを実施している状況です。
そもそも、この利上げの背景には急速に進むインフレを退治することが目的にあります。
そのインフレの状況を定量的に示したものが、CPIとなります。(詳細は後述します)
前回9月CPI発表ではマーケット予測を上回る結果となり、株式市場は敏感に反応しました。
実際、発表日には終値こそプラスとなったものの、一時NASDAQが−3%と大きく下落しましたよね。
また、株式マーケット同様に為替相場への影響についても注目が集まっています。
次回のFOMCでは、0.5%または0.75%の大幅利上げとなることが予測されています。
今回のCPI発表は利上げ幅を決める重要な要素となりますので、その結果は多くのマーケット参加者が気になるポイントです。
冒頭に結論を申し上げますと、10月のCPIは「総合」、「コア」共にマーケット予測を下回りました!!!
そもそもCPIって?
まずは基本的な概念から理解しましょう。
CPIとはConsumer Price Indexの略であり、日本語では、「消費者物価指数」と表されます。
ネットで調べてみると、「消費者が購入する各種消費やサービスの小売価格の変動を調査・算出した経済指標です」と説明されます。
これだけだとちょっと難しいですが、簡単に言うと、「物価そのものの変動を測定するための指標」と理解しておけば問題ありません。
この指標には2つの種類があります。
総合指数:全ての商品やサービスが対象
コア指数:総合指数のうち、食料及びエネルギーを除いたもの
これらの指標を見ることによって、現在の物価変動を定量的に把握できるということですね。
食料やエネルギーの価格は紛争等によって価格変動が大きい傾向にあるため、その影響を除いたコア指数を見ることにより、実態のインフレをより正確に把握することができます。
従い、「コア指数」にインフレのピークアウト感が出てこないとマーケット参加者は積極的にリスクをとって市場に参加することが難しい状況となります。
米国において喫緊の課題であるインフレ退治にあたり、この指標は大変重要な指標になることが大雑把にご理解いただけるかと思います。
これらの基本事項をおさえた上で、実際に数字を見ていきましょう。
前回のCPI発表の振り返り
簡単に前回9月のCPI発表を振り返ります。
9月結果 | マーケット予測 | 増減 | |
総合 | 8.2% | 8.1% | +0.1% |
コア | 6.6% | 6.5% | +0.1% |
9月のCPIは、前年同月比で「総合」は+8.2%の上昇となり、マーケット予測の8.1%をわずかに上回る結果となりました。
また「コア」も同様にしてマーケット予測をわずかに上回る結果となりました。
米国ではまだまだインフレが底堅く、大幅な利上げを実施するインセンティブを与えるような数字となりました。
実際、その後に行われたFOMCでは、(マーケットの予想通り)4会合連続となる0.75%の大幅利上げを実施しています。
ちなみにですが、パウエル議長は、利下げの実施時期について「インフレが2%に戻ることを確信」してから実施することに言及しています。
この水準については、今後大きな目安となりますので、是非とも覚えておきましょう。
10月は市場予測を下回る!!
さて、前置きは以上です。本題である10月の発表内容は以下の通りです。
10月結果 | マーケット予測 | 増減 | |
総合 | 7.7% | 8.0% | –0.3% |
コア | 6.3% | 6.5% | –0.2% |
ご覧の通り、10月の結果は、「総合」「コア」共に市場予測を下回る結果となりました!
上記で説明しました通り、「コア」は「総合」から食品やエネルギーといった比較的価格が変動しやすいものを除いた指数を表しています。
「コア」の数字が高止まりしてしまうと、まだまだインフレが底堅いことを意味していると言えますが、今回は市場予測を下回る結果となり、ピークアウトの観測が強まることになりそうですね。
CPIの発表後、為替相場も大きく動いています。こちらは発表直後のドル円チャートになります。
発表直後に急落していることがご確認いただけるかと思います。笑
今回の結果を受けて、次回予定されているFOMCでの利上げ幅にも大きな注目が集まりそうです。
本日のCPI発表前は0.75%または0.5%の利上げで大方意見が別れていましたが、この情勢も変化していくでしょう。
最後に
前回のCPI発表以降、悪材料を全て出し切ったためか、マーケットの動きとしては上昇傾向が見られることもありましたね。
今回、マーケット予測を下回る結果となり、リスクオンの動きが加熱することも想定されます。
また、先日日銀による為替介入が実施されましたが、当面は緩やかに円高方向に動くことも考えられます。
非常に流動的な動きとなり、投資判断に迷うことになりそうですが、私の投資スタンスは基本的には「長期」目線です。
すなわち、目先の短期的な値動きにはそれほど左右されないように意思決定をしています。(私の投資方針について以下の記事でもご紹介しております)
従って、今回のCPI発表をはじめ、常に市場の動きを把握することに努めていますが、中長期的にはマーケットが右肩上がりで成長していくことにbetして資産を積み増していく方針に変わりはありません!(早速今日も買い注文出します!!笑)
今回は以上となります。皆さんの投資判断にお役に立てれば幸いです。
ありがとうございました。
背徳太子
ブログ1年目の駆け出しブロガーです。
本業をテキパキこなしつつ、投資や副業にも全力で取り組んでいます。
本ブログでは、ビジネス書を通して得た知識や、企業決算情報、経済ニュースなどを記事にしています。
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