つい先ほど発表された9月の米国CPI(消費者物価指数)について記事にしています。
ご存知の通り、現在米国では歴史的に見ても例を見ないスピードで利上げを実施している状況です。
そもそも、この利上げの背景には急速に進むインフレを退治することが目的にあります。
そのインフレの状況を定量的に示したものが、CPIとなります。(詳細は後述します)
前回8月のCPI発表ではマーケット予測を上回る結果となり、株式市場はリスクオフの動きが加速しましたよね。
実際、発表日にナスダックは−5.2%、S&P500は–4.3%の下落を記録しています。
次回のFOMCでは、すでに0.75%の大幅利上げとなる予測が大方となっていますが、今回のCPI発表はその後の利上げ幅を決める重要な要素となりますので、その結果は大変注目されています。
冒頭に結論を申し上げますと、9月のCPIは「総合」、「コア」共にマーケット予測を上回りました。
そもそもCPIって?
まずは基本的な概念から理解しましょう。
CPIとはConsumer Price Indexの略であり、日本語では、「消費者物価指数」と表されます。
ネットで調べてみると、「消費者が購入する各種消費やサービスの小売価格の変動を調査・算出した経済指標です」と説明されます。
これだけだとちょっと難しいですが、簡単に言うと、「物価そのものの変動を測定するための指標」と理解しておけば問題ありません。
この指標には2つの種類があります。
総合指数:全ての商品やサービスが対象
コア指数:総合指数のうち、食料及びエネルギーを除いたもの
これらの指標を見ることによって、現在の物価変動を定量的に把握できるということですね。
食料やエネルギーの価格は紛争等によって価格変動が大きい傾向にあるため、その影響を除いたコア指数を見ることにより、実態のインフレをより正確に把握することができます。
従い、「コア指数」にインフレのピークアウト感が出てこないとマーケット参加者は安心してリスクオンできない状況となります。
米国において喫緊の課題であるインフレ退治にあたり、この指標は大変重要な指標になることが大雑把にご理解いただけるかと思います。
これらの基本事項をおさえた上で、実際に数字を見ていきましょう。
前回のCPI発表の振り返り
簡単に前回8月のCPI発表を振り返ります。
8月結果 | マーケット予測 | 増減 | |
総合 | 8.3% | 8.1% | +0.2% |
コア | 6.3% | 5.9% | +0.4% |
8月のCPIは、前年同月比で「総合」は8.3%の上昇となり、マーケット予測の8.1%を上回る結果となりました。
また「コア」も同様にしてマーケット予測を上回る結果となりました。
米国においてまだまだインフレは底堅く、大幅な利上げを実施するインセンティブを与えるような数字となりましたので、その後に一気にマーケットは悲観的な見方に転換しましたよね。
実際、その後に行われたFOMCでは、(マーケットの予想通り)3会合連続となる0.75%の大幅利上げを実施しています。
ちなみにですが、当時のFOMCでパウエル議長は、利下げの実施時期については「インフレが2%に戻ることを確信」してから実施することに言及しています。
この水準については、今後大きな目安となりますので、是非とも覚えておきましょう。
9月は市場予測を上回る
さて、前置きは以上です。本題である9月の発表内容は以下の通りです。
9月結果 | マーケット予測 | 増減 | |
総合 | 8.2% | 8.1% | +0.1% |
コア | 6.6% | 6.5% | +0.1% |
ご覧の通り、9月の結果は、前回同様に「総合」「コア」共に市場予測を上回るものとなりました。
上記で説明しました通り、「コア」は「総合」から食品やエネルギーといった比較的価格が変動しやすいものを除いた指数を表しています。
「コア」の数字が高水準で推移してしまっているということは、米国においてまだまだインフレが底堅いことを意味していると言えます。
CPIの発表後、為替も大きく動いています。こちらは発表直後のドル円チャートになります。
発表直後に急騰していることが確認いただけるかと思います。
今回の市場予測を上回る結果を受けて、次回予定されているFOMCでは再度の大幅利上げの実施は確実(利上げ幅は0.75%が有力視されていました)となっており、まだまだインフレのピークアウトが見えない状況ですので、ドル高傾向は続くことになりそうですね。(明日の日銀の動向は注視すべきです)
最後に
前回のCPI発表以降、マーケットの動きとしては基本的に下落基調が続いており、ポジティブなニュースがほとんどなかったように思います。
今回もマーケット予測を上回る結果となり、リスクオフの動きは当面継続することになることが予想されます。
また、為替に関しても、先日日銀による為替介入が実施されましたが、今後、円売りが加速すれば、再び介入に踏み切る可能性もあるでしょう。
今後、米国では喫緊の課題であるインフレを退治するため、大幅利上げを実施していくこととなります。
23年にはリセッションが起こることも予想されていますが、私の投資スタンスは基本的には「長期」目線です。
すなわち、目先の短期的な値動きにはそれほど左右されないように意思決定をしています。(私の投資方針について以下の記事でもご紹介しております)
従って、今回のCPI発表をはじめ、常に市場の動きを把握することに努めていますが、中長期的にはマーケットが右肩上がりで成長していくことにbetして資産を積み増していく方針に変わりはありません!(早速今日も買い注文出します!!笑)
今回は以上となります。皆さんの投資判断にお役に立てれば幸いです。
ありがとうございました。
背徳太子
ブログ1年目の駆け出しブロガーです。
本業をテキパキこなしつつ、投資や副業にも全力で取り組んでいます。
本ブログでは、ビジネス書を通して得た知識や、企業決算情報、経済ニュースなどを記事にしています。
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