つい先ほど発表された11月の米国CPI(消費者物価指数)について速報で内容をまとめていきます。
ご存知の通り、現在米国では歴史的に見ても例を見ないスピードで利上げを実施している状況です。
そもそも何で米国では急加速で利上げしているのだろうか。。。
現在の米国で利上げを進める背景には急速に進むインフレを退治することが目的にあります。
米国の中央銀行であるFRBは物価の安定を目的に金融政策を決める機能を有します。
インフレが加速的に進み、物価が安定しなければ社会は正常に経済活動が出来ません。
従い、FRBは喫緊の課題としてインフレを抑制しなければいけないのですね。
そのインフレの状況を定量的に示したものも一つの指標が、CPIとなります。(詳細は後述します)
前回10月CPI発表ではマーケット予測を下回る結果となり、株式市場は敏感に反応しました。
実際、NASDAQが+7.3%と急騰したことは記憶に新しいと思います。(翌朝の私はガッツポーズ✊でした)
また、株式マーケット同様に為替相場への影響についても注目が集まっていますよね。
ちなみに金利の上げ幅などの金融政策を決める会合をFOMC(Federal Open Market Committee)と読んでいます。
CPI発表は次回のFOMCでの利上げ幅を決める重要な要素となりますので、マーケット参加者が大きく注目するイベントになるわけですね!
冒頭に結論を申し上げますと、11月のCPIは「総合」、「コア」共にマーケット予測を下回りました!!!
- この1年間でよく話題にされているCPIについて基本的な知識を得られる
- CPIと株式・為替相場の関係についてざっくりと理解できる
- 投資家が今後どのようなことを考えて行動するのかを考えるにあたりヒントが得られる
そもそもCPIって?
まずは基本的な概念から理解しましょう。(ややこしい計算式はここでは紹介しませんのでご安心下さい)
CPIとはConsumer Price Indexの略であり、日本語では、「消費者物価指数」と表されます。
ネットで調べてみると、「消費者が購入する各種消費やサービスの小売価格の変動を調査・算出した経済指標です」と説明されます。
これだけだとちょっと難しいですが、簡単に言うと、「物価そのものの変動を測定するための指標」と理解しておけば問題ありません。
この指標には2つ種類があります。
総合指数:全ての商品やサービスが対象
コア指数:総合指数のうち、食料及びエネルギーを除いたもの
これらの指標を見ることによって、物価変動を定量的に把握できるということですね。
食料やエネルギーの価格は紛争等の外部環境によって価格変動が大きい傾向にあるため、その影響を除いたコア指数を見ることにより、実態のインフレをより正確に把握することができます。
従い、「コア指数」にインフレのピークアウト感が出てこないとマーケット参加者は積極的にリスクを取る状況にはなりにくいと言えます。
米国において喫緊の課題であるインフレ退治にあたり、この指標は大変重要な指標になることが大雑把にご理解いただけるかと思います。
これらの基本事項をおさえた上で、実際に数字を見ていきましょう。
前回のCPI発表の振り返り
簡単に前回10月のCPI発表を振り返ります。結果は以下の通りでした。
10月結果 | マーケット予測 | 増減 | |
総合指数 | 7.7% | 8.0% | –0.3% |
コア指数 | 6.3% | 6.5% | -0.2% |
こちらの数値は前年同期比での上昇割合を%で示した数値となります。
10月のCPIは、前年同月比で「総合指数」は7.7%の上昇となり、マーケット予測の8.0%を下回る結果となりました。
また、より重要視されると言われる「コア指数」も同様にしてマーケット予測を下回る結果となりました。
9月の結果までは、マーケット予測を上回る結果が続いており、まだまだ米国におけるインフレの底堅さを感じる内容となっていましたが、10月では予測を下回る結果となり、投資家の皆さんはひとまず安堵されたと思います。笑
10月CPIの結果がマーケット予測を下回る結果となったことにより、市場ではリスクオンの動きが急加速し、発表日はS&P500が+5.5%、NASDAQが+7.3%と異例の急上昇となりました。
もう少し補足しますと、CPIがマーケット予測を下回ったことで、金利の利上げが近い将来落ち着くとの期待感が高まり、その感情が株価に反映されたのです。
また、株式相場だけでなく、為替相場も大きくトレンドが大きく変わった1日となりました。
この1年間は「円安」がメディアでも大きく取り上げられ、社会人であれば嫌でも見聞きすることが多かったと思いますが、その要因は日米の金利差です。
現状として、例えば日本国債を購入して運用してもさほど金利は得られませんが、米国では利上げによって金利が得られます。
すると、より大きな金利を享受できる米国債を運用しようとする人が多くなりますよね。
米国債はドルを持っていないと購入できませんから、みんながドルに換金するわけです。
その結果、ドルの需要が高まり、ドル高となります。(円安が進む理由は上記の逆の現象が起きているためです)
さて、話を戻しまして、前回CPI発表直後のドル円の動きはこちらです。
当時は146~150円台でしばらく推移している状況でしたが、発表直後には144円台まで急落しました。(この翌日には138円台までさらに下落しました)
以上のように、CPI発表日にはマーケットが大きく動くことが多く、関心が高まる理由がご理解いただけたかと思います。
11月は市場予測を下回る!!
さて、本題である11月の発表内容は以下の通りです。
11月結果 | マーケット予測 | 増減 | |
総合指数 | 7.1% | 7.3% | –0.2% |
コア指数 | 6.0% | 6.1% | –0.1% |
ご覧の通り、11月の結果は、「総合」「コア」共に市場予測を下回る結果となりました!!
上記で説明しました通り、「コア」は「総合」から食品やエネルギーといった比較的価格が変動しやすいものを除いた指数を表しています。
「コア」の数字が高止まりしてしまうと、まだまだインフレが底堅いことを意味していると言えますが、今回は市場予測を前月に続きマーケット予測を下回る結果となり、ピークアウトの観測がさらに強まることになりそうですね。
CPIの発表後、為替相場も大きく動いています。こちらは発表直後のドル円チャートになります。
発表直後にまたもや急落していることがご確認いただけるかと思います。笑
今回の結果を受けて、株式・為替相場の動きも注目されます。
基本的には前月の発表後のように株高・ドル安の傾向が強まるとの見方が有力でしょう。
最後に
前回のCPI発表以降は比較的リスクオンの傾向が高まり、株価が上昇する局面が増えてきたように思います。
今回、マーケット予測を下回る結果となり、リスクオンの動きがさらに加熱することも想定されます。
また、為替について、上記の通り前回発表後に大きく円高方向に動きましたが、この傾向はまだまだ続くことが予想されます。
非常に流動的な動きとなり、投資判断に迷うことになりそうですが、私の投資スタンスは基本的には「長期」目線です。
すなわち、目先の短期的な値動きにはそれほど左右されないように意思決定をしています。(私の投資方針について以下の記事でもご紹介しております)
従って、今回のCPI発表をはじめ、常に市場の動きを把握することに努めていますが、中長期的にはマーケットが右肩上がりで成長していくことにbetして資産を積み増していく方針に変わりはありません!(早速今日も買い注文出します!!笑)
また、米国の個別銘柄についても紹介記事を書いておりますので、宜しければこちらもご覧ください。
今回は以上となります。ありがとうございました。
背徳太子
ブログ1年目の駆け出しブロガーです。
本業をテキパキこなしつつ、投資や副業にも全力で取り組んでいます。
本ブログでは、ビジネス書を通して得た知識や、企業決算情報、経済ニュースなどを記事にしています。
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